NO.109
書  名 「7つの習慣」
著者/訳者 スティーブン・R・コヴィー/川西 茂
発行所 キング・ベアー出版
価  格 1,942円
 
 
 

「7つの習慣」からの抜粋


 


(経験というレンズ(パラダイム))

 人は、物事をあるがままに、つまり客観的に見ていると思い込んでいるのが常である。しかし、私たちは世界をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままに(条件づけされたままに)世界を見ているのだ。物事を説明しようとすると、それは結果的に自分自身、自分の知覚、自分のパラダイムを説明しているにすぎない。そして自分の意見に相手が賛成しないとなれば、すぐにその人が間違っていると思ってしまう。しかし、この演習から学べるように、誠意がありかつ知力に恵まれた人たちでも、それぞれの経験というレンズ(パラダイム)を通して、同じ事実について異なる見方をするのである。


(主体性を発揮する)

 主体性という言葉を聞くと、それは押しつけがましく、強引で、わがままで、無神経になることだと考える人もいる。しかし、それは全く違う。主体的になるということは押しつけがましくなることではなく、賢くなることなのだ。価値観に基づいて行動し、現実を正しく認識し、その中で他人の気持ちや周りの状況を理解することなのである。
 例えば、インドのガンジーを考えてみるとよいだろう。インドがイギリスの支配下にあった頃、インドの国会議員たちは関心の輪に集中して、イギリスを批判する多くの宣言文を発表していた。しかし、ガンジーはそうした行動に加わろうとはしなかった。そのために、国会議員たちはガンジーのことも批判し始めた。その時、ガンジーはどこにいたかというと、田畑の中を歩き回り、静かに、ゆっくりと、誰にも気づかれないうちに、農民に対する自分の影響の輪を広げていたのだった。ガンジーが全国を歩くにつれて草の根的に彼を支持し、信頼し、尊敬する運動がいたる所で湧き起こった。彼は何ら政治的な立場も地位もなかったにもかかわらず、あわれみ、勇気、良心に訴える説得や断食で、やがてはイギリスを跪かせ、そしてその大きく拡大した影響の輪により、三億人のインド人をイギリスの政治的支配から開放したのである。


(影響の輪に集中する)

 影響の輪に集中する方法はいくらでもある。より良い聞き手になること、もっと愛を示す伴侶になること、もっと熱心な生徒になること、もっと協調性のある従業員になることなど。時と場合によっては、最も主体性を発揮する方法は、ただ単に心穏やかにすべてを受け入れ、幸福になることである。そして、心から微笑んで過ごすのだ。幸も不幸もいずれも主体的な選択の結果にすぎない。天候のように絶対に影響の輪に入ってこないものも、確かにある。しかし、主体的な人として、自分の天気を持ち合わせることはできる。幸せになると決めて、コントロールできない要因を受け入れて、コントロールできるものに努力を集中させることができるのだ。


(人生の目的を明確にする)

 第二の習慣は、生活の様々な状況に当てはまるものであるが、最も基礎的な応用は、すべての行動を測るための尺度として、人生の最後の姿を描き、それを念頭において今日という一日を始めることである。そうすれば、自分にとって何が本当に大切なのかをベースに、今日の行動、明日の行動、来週の行動、来月の行動を計画することができる。このように自分の人生の目的を明確にすることにより、毎日の活動が人生全体の目的に対して、有意義な形で貢献できるものになるのだ。


(すべてのものは二度つくられる)

 目的を持って始めるという習慣は、「すべてのものは二度つくられる」という原則に基づいている。万物にはまず知的な第一の創造があり、それから物的な第二の創造がある。
 住宅の建設を考えてみれば、この原則はすぐに理解できるはずである。一本目の釘を打つ前に、細かなところまですべてが創造されている。どういう家が欲しいのかがまず明確に打ち出される。家族が集まりやすい家にしたいのであれば、全体から見て、皆が自然に集まってくるようなリビングをつくるだろうし、子供が外で気軽に遊べる家にするのであれば、中庭に面して子供が開けやすいドアをつけるだろう。いろいろなアイディアを考え、建てたい家の明確なイメージができるまで、頭の中での作業を続けるはずである。
 それから、その考えを設計図に描き、建築の計画を立てる。このすべての作業が完成するまでは、実際に工事にかかることはない。でなければ、第二の創造──物的な創造──において、家のコストを倍増させるほどの変更を加えなければならないことになる。


(個人的なミッション・ステートメント)

 目的を持って始める最も簡単で大きな効果をもたらす方法の一つは、ミッション・ステートメント(個人的な憲法、または信条)を書くことである。その中で自分はどうなりたいのか、何をしたいのか、そして自分の行動の基礎となる価値観や原則を明らかにする。


(重要事項を優先する)

 効果的なマネジメントの定義は、「重要事項を優先する」ことである。リーダーシップは「重要事項」とは何なのかを決めることであり、それに対して、マネジメントはそれを優先して、毎日、瞬間瞬間において実行することである。つまり、マネジメントは自制する力であり、実行力なのだ。
 私の大好きな論文のひとつに、E・M・グレーが執筆した『成功者の共通点』と題するものがある。彼は、成功者たちに共通する要素の探求に人生の大半を費やした。その結果、熱心な努力や幸運、あるいは人間関係における手法などはどれも必要ではあるが、決定的な要因ではないということが分かった。何よりも大切だったのは、「重要事項を優先する」というこの第三の習慣であった。
 彼はそのことを次の言葉で表現している。

「成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということである。彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行なっているわけではないが、自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ」


(パレードの法則)

 第二領域を行なっていけば、効果性は高まり、それに伴って第一領域の問題は徐々になくなってくることだろう。そして、やがてそれは、対応できる範囲内に収まることになるだろう。なぜなら、あなたは問題の根っ子に働きかけているのであり、問題が発生する以前に、それを防ぐ活動を実施しているからである。これは、時間管理の用語でいうと、パレートの法則というものである。つまり、「80%の結果は20%の活動から生み出される」ということである。


(W in −Win)

Win-Winは、すべての関係において常に相互の利益を求める心と精神のことであり、お互いに満足できる合意や解決策を打ち出すことである。Win-Winによって得た解決策では、すべての当事者が心から納得しており、合意した行動計画を実行しようと決心している。Win-Winは、人生を競争ではなく、協力する舞台とみるパラダイムである。


(コミュニケーションの鍵)

 人間関係について私が今まで学んだ最も大切な教訓を要約すれば、それは「まず相手を理解するように努め、その後で、自分を理解してもらうようにしなさい」ということである。この原則が、人間関係における効果的なコミュニケーションの鍵なのである。


(刃を研ぐ時間をとる習慣)

 第七の習慣は、刃を研ぐ時間をとる習慣である。第七の習慣は、ほかのすべての習慣を可能にするから、「7つの習慣」の成長の連続体の図では、第七の習慣がほかのすべての習慣を取り囲んでいる。



※ ( )内タイトルは勝手につけました。

 

 

 
 
 
鉄 太 郎 の ナ ル ホ ド と 納 得
 

 

1.主体性を発揮する(第一の習慣)

  主体性とは、現実を受け入れ、状況を良くするために自らが決定し実行することである。親が悪い、上司が悪い、景気が悪い、重度の障害がある、奴隷として売られた、等々の理由により現状をやむなく受け入れ、ぐちを言うことはたやすいが、状況を改善することはできない。自分が影響できる部分に集中して対応することによって状況は劇的に良くなってゆく可能性がある。

2.目的を持って始める(第二の習慣)

  目的とは、本当に大切なことを明確にし、毎日の行動の指針となるものである。正しい設計図がなければ家は建たないことは容易に想像できるが、一般的には毎日の緊急事項、重要事項の対応に追われ、設計図が作成されないことが多い。個人においても、会社においても、ミッション・ステートメントを書き出すことは有益なことである。

3.重要事項を優先する(第三の習慣)

  重要事項とは、今行っておけば将来確実に有益なリターンが得られるものをいう。例えば、人間関係づくりとか、健康維持とか、自己啓発、作業改善の見直しなどである。緊急事項にかまけて後回しにされがちであるが、週間スケジュールに組み込み確実に行うことが大事である。

4.Win−Winを考える(第四の習慣)

  WinーWinとは、相手も自分も満足のいく合意や解決策を打ち出すことである。相互利益を打ち出すためには、相手の主張を聞く思いやりと、自分の立場をはっきりと説明する勇気が必要である。

5.理解してから理解される(第五の習慣)

  人間関係におけるコミュニケーションの鍵は、「まず相手を理解するように務め、その後で、自分を理解してもらう」ことである。相手を理解するということは、自分のパラダイム(色眼鏡)で判断するのではなく、相手のパラダイムを理解するということである

6.相乗効果を発揮する(第六の習慣)

  相乗効果の本質は、お互いの相違点を理解し、協力して第三案を作成することである。お互いの不備、または不足している知識・観点を補足しあって、1+1が2以上のものを作成することができる。

7.刃を研ぐ(第七の習慣)

  刃を研ぐとは、自分の持っている資源を向上させることである。肉体面では体を鍛え、精神面では瞑想などによって自己の確立と価値観の確認を行い、知性の面では定期的に優れた本を読み、社会・情緒面では対人関係において4・5・6の習慣を実践する。