NO.88
書  名 ラリー・ウィリアムズの
相場で儲ける法
著者/訳者 ラリー・ウィリアムズ/林則行・林康史
発行所 日本経済新聞社
価  格 3,600円
 
 
 

「ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法」からの抜粋


 

 

(機械的なアプローチ)

  私の推定では、先物を取引している人の80%が、明確な、システムとしての、機械的なアプローチを持たずに取引を行っている。彼らは、何かが起きると感じ、それに従って取引を行っている。彼らは、金の需給や政治的な状況から、今後、金価格は上がるだろうと考える。あるいは、今後、金価格は下がるだろうと考える。何らかの方法で、彼らは世の中の出来事や相場の動きを観察し、ポジションをとっている。このようなアプローチは根本的に間違っている。私がそういった方法で取引することはない。
  


(システムの長所)

  取引のためのシステム的なアプローチを手にした時点で、すでに競争相手よりも数光年も先んじているのである。いまや、その手法の成績を過去に遡って調べることができる。そのアプローチに従っていたならば、過去にどれだけ儲かったかというご都合主義の数字を作り上げるのではなく、将来、どの程度のものを手にすることができるのかを見極めるのである。最悪期を生き抜くために、どれだけの資金が必要になるのかを算定することができる。一定期間の収益合計を取引回数で割ることによって、平均収益を知ることもできる。また、収益合計をその期間の日数で割ることによって、興味深い数値が計算される。自分のシステムを使って自らが1日当たりどれだけ稼ぐことができるか、すなわち、生活費を稼ぐために、とれだけ取引をする必要があるかを、その数値は教えてくれる。


(独自の方法を持つことによる別のメリット)

  独自の方法を持つことによる別のメリットは相場から離れられることである。独自の方法を持たないなら、儲からない取引の中から儲かる取引を捜し出す努力をしなければならない。儲ける機会を常に捜していなければならない。相場に対するシステム的なアプローチを持っていれば、何の支障も感じることなく3〜4週間相場を離れることができる。戻ってきた時、システムはそこにある。相場はそこにあり、再びゲームに入っていけるのだ。


(1つの相場に合わせて最適化)

  システムが、ポークベリーや米国債などの商品に限定されることなく、すべての相場で有効に機能することを確認することがいかに重要であるか、私は至る所で指摘してきた。私の見解では、すべての相場でそこそこうまく機能するのでなければ、単に、ある1つの相場に合わせて最適化したにすぎないのである。まずもって、よい取引システムとは言えまい。


(予測するのは最悪)

  数多くのトレーダーや投資顧問業者が相場予測を大切だと考えているのは信じ難いことである。相場がどう動くかを予測するのは最悪である。なぜならば、相場動向を予測し、自分の作ったポジションに恋をしてしまうと、ブローカーからの電話や追い証、そして、眠れぬ夜といった、そのポジションが間違っていると告げる多くの証拠を目の前に突きつけられてもなお、進んでそのポジションと手を切ることができなくなるからである。相場は、自らの動きについてのメッセージを取引する者に向かって声高に、かつ、明確に告げているのである。もしも損をしているということは、相場は自分と逆に動いているということであり、自分も逆のことをすべきなのである。つまるところ、自分を相場と同調させなければならない。相場と喧嘩をしてはいけないのである。
  奇妙なことに、人は正しい判断に必要な情報を捜す代わりに、自らの判断が正しいことを証明しようとする。


(移動平均)

  初心者にとって相場における移動平均がまるで信頼するに足る確実なアプローチであるかのように思えるものとして選別され、その結果が後づけで示されるのだ。実際は違う。これらは分析手法にすぎない。人によっては、移動平均をよりよい分析手法として利用することも可能だろう。しかし、このパラメータを使って、確実できっちりしたシステムを構築しようとは思わない方がよい。その成功例を今まで見たことがない。過去20年以上にわたって、私はさまざまな数値、システム、アプローチを見てきた。しかし、移動平均を用いたアプローチで一貫して利益をあげている人には出会ったことがない。


(天底を見極める最良の方法)

  連続する流れの中からどのトップを用いるかを見極めることこそ、芸術と言われる所以であろう。私自身としては、両側それぞれにそれよりも低い6本以上の足を持ち合わせている高値をトップに、また両側それぞれにそれよりも高い6本以上の足を持ち合わせている安値をボトムに用いるのが最適な方法だという結論に達した。それが週足であろうと、月足、時間足、あるいは5分足チャートであろうと、この方法を用いることにより、より重要な高値あるいは安値に目を向けることができる。時にはこのルールを少しばかり破ってしまうこともあるけれど、これこそが相場の重要な天底を見極める最良の方法だと思っている。


(モメンタムの慨念)

  私が用いている第2の手法はモメンタムの概念に基づいている。簡単に言えば「いったん相場が一方向に動き出すと、反対方向に同じだけの動きが作り出されるまで、その方向に動き続ける」ということである。これがむしろ馬鹿馬鹿しく聞こえることは百も承知だが、これこそ私の日計りの成功の秘密なのだ。
  いったん相場があるポイントだけ動いて一方向へ動き出すことを示唆したら、私はその方向のポジションを取り、価格が反転するか、その日の相場が引ける直前まで持ち続ける。この手法をとる理由の1つは、相場が動き始めた場合、それが大きな幅の一方向への動きであればなおのこと、上昇相場では大引け近くで高値をつけ、下落相場では大引け近くで安値をつけるからである。


(最高の売りパターン)

  最後に、S&Pで前日の高値より高く、かつ前日の終値より高く引けたパターンの時にはどうなるかについて説明しよう。注目していただきたいのは、翌朝は59%の確率で高く寄り付いているが、しかもこの寄付は37%の確率で前日の高値より高いという点である。幸運なことに、ほぼ60%の確率でこの窓開け日の終値は寄付より下落する。これこそ日計りトレーダーにとって最高の売りパターンである(図8―1)。他にも同様のパターンがあるので、ぜひとも見つけ出していただきたい。


(マネー・マネジメントが必要な理由)

  マネー・マネジメントが必要な理由はただ1つ。資金を失うのを避けるためである。先物取引では90%の人が負ける。これ以上、何を言う必要があろうか。先物取引と株式投資が100%確かなものではない以上、賢い投機家なら、相場に入るタイミングの測り方と併せて、賭け率を管理する方法を全力を投じて確立しようとするものである。


(私はシステムに従ってトレードすることを選んだ)

  私は自らをトレーダーとはほど遠い存在だと考えている。私はシステム運用者だと思う。私はシステムに従ってトレードすることを選んだのである。
  私は他のシステムを選び、職業とすることも可能であったはずである。例えば、弁護士、医師、煉瓦職人、銀行の窓口、何でも構わない。いかなる専門分野においてもシステマチックなやり方が存在するからである。システムから離れれば離れるほど多くの問題に出くわすだろう。それゆえ自分をトレーダーだと思わず、システム運用者だと思った方がよい。もちろん価値のある運用システムを手にした場合のことである。


(マネー・マネジメントを可能な限り学ぶべき)

  相場という特殊な世界で勝者になりたければ、棒切れと石ころ以上のものが必要とされる。それが自分を守るための盾なのである。だからこそ、繰り返しになるがマネー・マネジメントを可能な限り学ぶべきである。これがこの本の中で私が伝える最も重要な部分である。これさえあれば私がこの本で述べた運用システムのことは忘れて構わない。いろいろなテクニックも忘れて構わない。必要なのは盾であり、守りである。そしてマネー・マネジメントこそが守りである。相場では、秀れた守りの戦略を実行する能力如何で生死が決する。


相場の原理原則

 1.うまく行きそうに見える時は、うまくいかない。
 2.大きな建玉は大きな問題となる。
 3.将来のことは誰にもわからない。
 4.間違っていた時、トントンにしようとするな。損切ること。
 5.船が沈み始めたら、祈るより先に脱出するべし。
 6.難平は愚かさの上塗りである。
 7.大衆は中間では正しいが、最初と最後では間違っている。
 8.大衆のルール――それは消え去るためのルールである。
 9.状況は自ら築くものである。
10.それゆえ、よい時間を過ごすよう努力するべし。



※ ( )内タイトルは勝手につけました。


 
 
 
鉄 太 郎 の ナ ル ホ ド と 納 得
 

 

  この本によって、研究の方向性が確定しました。

  ☆将来の株式が、上がるか下がるかを確率で表現できないものは、情報として採用
    しない。テクニカル指標も、確率によって優位性が証明されない限り利用しない。
  ☆確率に裏打ちされた勝ちパターンを発見し、過去の相場で有効であると証明した
    上で、実戦に利用する。
  ☆リスク管理と資金管理を合わせたトータルリスク管理を構築する。
  ☆気まぐれや、感情によって変更できない強固なシステム売買の仕組みを構築する。