NO.96
書  名 相場の心理学
(愚者は雷同し、賢者はチャートで勝負する)
著者/訳者 ラース・トゥヴェーデ/赤羽 隆夫
発行所 ダイヤモンド社
価  格 2,800円
 
 
 

「相場の心理学」からの抜粋


 


(情報が相場を動かすのではなく、相場が情報を生む)

  株式売買をした経験のある人なら、投資アナリスト、エコノミスト、投資顧問、それにジャーナリストといった人たちの相場予測が、通常、どうしようもなく後追いであることに気づくだろう。彼らの情報、分析や見通しは、すでに長らく株式市場が動いている状況の検死解剖(事後確認)程度のものでしかない。つまり、相場は情報に先んじているのである。
  『これが株式取引所だ』という本を著した株式投機家のコストラーニィは、この点を次のように書いている。
  「一般的には、情報が相場を動かすのではなく、相場が情報を生むのである。これはパリでもロンドンでも、またニューヨークでも真実である。その日の取引が終わった時点で、誰もが当日の値動きはトレンドからの一時的な逸脱なのか、それともトレンド自体が変わったのかを説明してくれる講釈を聞きたがる。だが、これらは二時間前には夢にも思わなかった講釈なのである」



(逆張り投資)

  逆張り投資は面白いが、やはり大変慎重に実践しなければならない。投資時期の判断に当たってセンチメント指標を活用するなら、指数の上昇時に購入をためらってはならない――事実、臨界値を超えない限り、この指標は有用なシグナルになる。
  同様に、メディアが弱い声で、活字も小さく、相場は今上昇(下降)トレンドにあると指摘した際には、不安になる理由などほとんどない。危険シグナルが出るのは、上昇相場は「この先何年もの間持続可能」だとか、すでに相当の値上がりを見た後になお「この種の証券への投資が最高だ」などといった記事を読まされるときである。その反面、「今買うのは投機以外の何ものでもない」と書く時期は、最高の購入機会であることが少なくない。



(不利なポジションはもち続ける)

  小口の投資家は通常有利なポジションを早々に手仕舞う一方、不利なポジションはもち続けるという事実が見られる。この事実に対するほとんどの責任も自我防衛にある。どんなに不合理に見えようとも、彼はこう考える。手仕舞ったポジションから自分の勘定に振り込まれた現金を見ると気分がウキウキするが、現在のところは損が発生していると認識するだけでは現金を手にしたときの高揚感に匹敵するほどの敗北感を感じないと。事実損失が実現されない限り、彼は本当に損が出たとは感じない。そのため、ぎりぎりまで売却しない。それも実際には、往々にして弱気相場のパニック状況の底値で売却せざるを得なくなる。このことが、通常弱気相場のほうが強気相場より出来高が少ない理由を説明する。



(断固出撃のとき)

  相場の動きは大半の時期が保ち合いなのだ。上昇すると、チャーチストや取引伝票自我防衛者たちがただちに反発を示す抵抗圏に遭遇する。下落すると今度は、支持圏に出会う。この二つの圏域の間での日々の細かい株価変動は、かなりノイズに敏感で予測不能である。儲けが出たとしてもほんのわずかにすぎない。
  しかしときには相場は抵抗圏を突き破って、断固として上昇運動を始める(下降運動のときも原理は同じ)。上昇運動の初期の局面では、ほとんどの投資家はこれを新しいランダムな変動で、近いうちに訂正されると見る。そのため、多くの投資家は予想外の値上がりから急いで利食い売りしようとする。しかし、新たな買いが入り、しばらくためらった後、相場はまた上昇し始める。市場の地合は変化し、以前の売り手は利食いしたことを後悔して、まあまあの価格なら再び参入する機会を望み始める。トレンドがスタートしたのである。



(トレンドのもっとも重要な特徴)

  「従来形成されたもみ合い圏を通じて価格が急角度で方向転換するのに成功しない限り、トレンドはそのまま保たれる。したがって、
  上昇トレンドは、より高い天井とより高い底の出現が続く限り不変である。
  下降トレンドは、より低い天井とより低い底が存在する限り持続する」

  これらがトレンドのもっとも重要な特徴である。いくつもの天井と底が継起的に上昇するという望ましい状況が破られると、ただちに地合は変化する。上昇トレンドでは上昇する底(通常は以前の天井)を、下降トレンドでは低下する天井(以前の底)を、もっとも綿密に注視しなければならない。



(ヘッド&ショルダーズ――トレンドの枯渇)

  見逃すとひどいしっぺ返しを受けるテクニカル・フォーメーションの一つが、ヘッド&ショルダーズ・フォーメーション(三尊天井)である。株式相場における多くの劇的なトレンド転換は、南海会社や1929年のウォール・ストリート暴落を含め、このフォーメーションからスタートしている(図2および3参照)。この悪魔とお馴染みであれば、これがチャート上に出現すると、私たちは通常きわめて明瞭なシグナルが点灯されたものと認識する。



(安全ヘルメット)

 戦術とは行為を規律あるものにし、個人的な情動を抑制するという問題である。よき戦術とは非合理的な恐怖、疑惑および強欲に対する安全ヘルメットである。



(10フィート・テスト)

  戦術的タイミングは、常に単純な診断から出発すべきである。私たちはそれを「10フィート・テスト」と呼ぶ。評価しようと思うチャートを見つけて壁に掛け、10フィート遠ざかって、チャートを眺める。そこで何が見えるかを自問するのだ。
  @トレンドはそのままか?
  A当初のトレンドは転換したか?
  Bトレーディング・レンジか?

  これら三つの状況は、その各々が非常に異なった戦術の、それぞれに独自の集合を必要とするので、これを検討することは大変に重要である。疑問があれば、壁に掛けたチャートを上下ひっくり返して、再び同じことを繰り返して見ることだ。



(トレンド上で取引するとき)

  「トレンド上で取引するときは、上げで買い、下げで売れ」
  もう一度読みたまえ。価格が上がったとき、つまりもみ合い圏から上放れたときに買い、下がったとき、すなわちもみ合い圏から下放れしたときに売らなければならない。



(もみ合い圏で取引するとき)

  「もみ合い圏で取引するときは、下げで買い、上げで売れ」
  このことは、表面的にはトレンド上の取引よりもはるかに自明と見えるが、実際は意外に難しいものである。



※ ( )内タイトルは勝手につけました。

 

 
 
 
鉄 太 郎 の ナ ル ホ ド と 納 得
 

 

  天井、大底は後になってみないとわからない。トレンドであるかどうかの判定方法は天井、大底を当てるよりは容易である。

  @チャートを壁に貼って、反対側から見る。次に逆さに貼って、反対側から見る。
    どちらから見てもトレンドを感じたらトレンドである。
  Aより高い天井とより高い底の出現が続く限り、上昇トレンドといえる。
    より低い天井とより低い底が存在する限り、下降トレンドと言える。
  B前週の出来高より、今週の出来高が増加している。
    昨日の出来高より、今日の出来高が増加している。

上記3項目がすべて当てはまったときは、トレンドである可能性は強いと言える。