NO.8
書  名 マーケットの魔術師
(米トップトレーダーが語る成功の秘訣)
[株式編]
著者/訳者 ジャック・D・シュワッガー/増沢浩一
発行所パンローリング
価  格2,800円
 
 
 

「マ ー ケ ッ ト の 魔 術 師[株 式 編]」か ら の 抜 粋


 



スチュアート・ウォールトン

  難しいのは、高値を更新している銘柄を買うことであり、安値を更新している銘柄を売ることです。ただ、「正しいことをするのは難しい」というのも心理でしょう。これについては私自身、今なお学習しているところです。


  デイ・トレードはしませんが、平均的には数週間といったところでしょうか。一方で、何十万株という比較的大きなポジションを抱えている銘柄でも、一日に数回、一週間に五、六回売買を断続的に行うこともあります。自分の投資判断に対する「感触」を得ようとしているわけです。その時点で、株価動向に安心感が得られなければ、ポジションを閉じてしまいます。


 でも今では、仕切り値より上での買い戻しなど、何とも思わなくなりました。私が考える成功したトレードとは、10で買って100で売るトレードではなく、ここで七ポイント、ここで五ポイント、ここで八ポイント、といった具合に、株価の大きなうねりの大きな部分をモノにできたトレードだからです。



  ・辛抱強く――好機を待て
  ・自分の考えで、自分のスタイルでトレードする。
  ・衝動でトレードをしない、特に他人のアドバイスには頼らない
  ・一つの出来事や一つの銘柄に対して、リスクを取りすぎない
  ・常に焦点を定めること(特にマーケットが動いているとき)
  ・反応するのではなく、予測する
  ・マーケットに聞け(それ以外の意見は聞くな)
  ・トレードを通しで考える(新規取引の前に、仕切り・損切りのレベルを決めておく)
  ・ポジションに確信が持てないのなら、そのポジションはすぐに処理する
  ・マーケットの総意とは反対の方向でトレードするよう、自分を追い込め
  ・トレードのパターンを認識する
  ・明日よりも先を読め(六ヶ月後、一年後の展望を持て)
  ・ファンダメンタルズに先行して株価は動く
  ・データにマーケットが反応しないのなら、要注意
  ・柔軟に(自分が間違っていたら、素直に認める)
  ・間違うことは多い(勝ち銘柄・負け銘柄を素早く見分けろ)
  ・毎日は前日の終値から始まる(自分の買い入れ価格は関係ない)
  ・ナンピンするのは容易だ(でもそれは、常に間違いである)
  ・極度の弱気で買い、極度の強気で売る(そこに自分を追い込め)
  ・集中を妨げるものは遠ざけろ
  ・常に自信をもつ(好機は次々とやってくる)


マイケル・ラウアー

  下落を推し進めるニュースがないときに売りに回ると、株価が一時的に上昇することもあり、リスクを伴います。したがって、四半期ごとに行われる業績発表などで、売りのタイミングを計るのが得策です。下落基調を跳ね返すためには予想をはるかに上回る業績が必要だったため、過去数回の業績発表では、デルを売ってもリスクは限定的だと考えていました。私たちが空売りに際して探しているのは、期待通りの業績で株価は下落、期待に届かなければ株価は暴落、そんな状態です。


マーク・D・クック

   「希望」という言葉を絶対に自分の辞書に入れないこと。これは私が知っている中で最悪の言葉です。「このポジションが戻ってくれば」と思ったら、すぐポジションを減らすことです。


 トレードで食べていこうと思っているなら、他の商売と同じように情熱を持ち、計画を練ること。ビジネスを始めようとして、銀行へ行ってにっこり微笑み、20万ドル貸してくれと言って、「あなたの笑顔は素敵です。さあ、おカネをどうぞ」って貸してくれると思いますか?私は思いません。必要なのは確固たるビジネスプランです。問題は、ほとんどの人がちゃんとした計画なしにトレーディングを始めることです。


アーメット・オクマス

  最終目的はすべての投資で利益を上げることであって、必ずしもすべての投資機会をとらえることではありません。いくらかでも利益を上げられれば、それぞれのトレードでたくさん儲ける必要はないのです。1992年以来、90%以上は勝ちトレードです。


 オクマスは非常に厳しい条件を満たした株を選択することによって、リスク管理を実現している。つまり、財務体質が健全な企業の、高値からゆうに五〇%は下落した株だけを買うのである。彼には、自分が買う株は買う時点におけるリスクが非常に低いという、強い自信をもっている。彼がこうした極端ともいえる確信を持てるのは、利益を出せる数多くのトレード機会を見送っているからだ。だが銘柄選択に厳格なルールを適用しているので、損切りルールを使用しなくてもリスク管理を実現できるのである。


 オクマスは厳しい規律を守る。そして忍耐強い。厳しい条件を満たす銘柄がほとんどない状況下では、そうした銘柄が現れるまで待つ。例えば、1999年の第2四半期の終わり時点では、オクマスは全資金のうちたった13%しか投資していなかった。その理由を、彼は当時このように述べている――「掘出し物がないのです。非常に安い銘柄が見つかるまでは、大事な資金を危険にさらすつもりはありません」


マーク・ミネルヴィニ

  ほとんどの人が驚くでしょうが、そういう株は大化けする前でさえ、平均よりもPER(株価収益率)が高い場合が多いですね。多くの投資家はPERが低い株に投資対象を限定している。でも不幸にして、PERが「高すぎる」ように見えるというだけの理由でその株を避けるということは、最高のチャンスを取り損ねているよ。


  みんな最良の仕掛け(エントリー)戦略を見つけだそうとしてあまりに多くの時間を使ってしまい、マネー・マネジメントには十分な時間を費やさない。相対力が高い(過去のある数ヵ月間において、マーケット平均を上回る値動きを見せた)上位200銘柄を選び、これらの社名をダーツの的に張りつけたとしましょう。それから毎日、的にめがけて三本ずつ矢を投げて、矢が当たった銘柄を毎日買うわけです。選んだ株が下がるたびに、例えば購入価格から10%下がったら、すぐさま売る。この方法を守れば、儲けられると断言できますよ。なぜって、選んだ株の中には大きく上昇する銘柄が含まれている可能性が高いし、きっちり損切りもしているからです。


  ぼくの運用成績が一変したのは、正しい判断をどれだけ数多く下せるかということではなく、勝てるトレードで得る利益をどれだけ膨らませ、負けるときにどれだけ損を抑えられるかということの方が重要だということを理解したときからです。平均すると勝率は五〇%にすぎないけれど、判断を誤ったことで被る損失よりも、正しかったときに上げる利益の方がかなり多いですよ。


  「成功の果実をどれだけ手にできるかは、自分の売買記録をとる、自分で考える、自分で決断するといった、あなた自身の努力がもたらす正直さや誠実さに正比例する」。つまり、自分の結果は100%自分で責任をとれということだね。


  勝つトレードは、最初から上がるものなんだ。大きな含み損を抱えたポジションにしがみついて、つらい思いをする必要などまったくなくて、そんなことをすればむしろ被害を大きくさせるということに気がついたのです。


  なんといっても第一に、自分が常に過ちを犯すのだということを肝に銘じることですね。過ちを悲惨なものにしないための唯一の方法は、まだ額が小さいうちに損切りして、次に進むしかありません。
  それと自分の性格にあった投資スタイルを確立することに意識を集中すること。これには一生かかります。たいていの人は学習の途中で耐えられなくなる。難しく感じたり、自分の戦略が予想どおりの結果を生まないと、彼らはすぐに何か別の方法を探そうとする。結果、たった一つの方法論を完璧にマスターするのではなく、いろんな方法を少しずつ身につけて終ることになります。実際、優れた戦略を一つ確立するには莫大な時間がかかる。それまで、うまくいかない時期を耐え抜かなければならない。皮肉なことに、この期間が最も価値ある情報をもたらしてくれるものなのです。


  偶発的な事柄に対応するプランを練っておく必要がありますね。操縦士と副操縦士がジェット機を操縦しているときにエンジントラブルに遭遇したとしても、彼らは場当たり的に事態を収拾するわけではないですよね。彼らにはきちんとした緊急対応用のマニュアルがある。偶発事項への対応プランで最も重要なものは、自分が間違えたときの損失を抑えるためのプランです。それに、ポジションを切った後に再度同じトレードに挑むためのプランも必要になります。それがないと、売った後に50%、100%と上がって行く株をただ横で眺めていることになりますからね。


  いとも簡単に投資を始める人が多いですよね。彼らは、投資を仕事というよりは趣味のように考えている。趣味はおカネがかかるものです。彼らは自分の過去のトレード分析には時間をかけない。本当は最良の勉強材料となるはずの投資結果を無視するんだ。ほとんどの人は失敗から学ぼうとするのではなく、忘れようとする。これは大きな間違いです。


 普通の考え方は、トレードには向いていません。だから、トレーダーとして成功するには、普通じゃないことをするという姿勢が重要です。自分の直感とは反対を張れと多くのトレーダーが言っているでしょう。つまり、あるポジションについて良いと感じたら売り、ひどいと感じたらもっと買えって。トレードを始めて間もないころはこれでいいんだけど、普通じゃないことをやり続けていると、どこかの時点で熟練する。そうなるとあなたの直感は正しくなってくる。良いと感じたら長く持つべきだし、だめだと感じたら売るべきだ。そこがトレーダーとしての力量がついたかどうかを見極めるポイントになりますね。


 規律でしょう。僕以上に厳格に規律を守っている人はいないと思いますから。トレードを始めるにあたっては、考え得るあらゆるシナリオに対する対応策を練っておく。例外が思いつかないほどにね。例外が起きたとしても、それに対処できるプランも持っていると思います。



スティーブ・レスカルボー

 行動と遂行を混同しないことです。私が考える初心者に共通するミスの一つとは、自分が何をやっているのかを本当の意味で理解しない前にトレードを始めてしまうことです。彼らは活発に行動を起こしていても、何も遂行していないのです。私が実際の売買に費やす時間はほんのわずかです。99%以上の時間は、コンピューターを使った調査に費やしています。


マイケル・マスターズ

 私たちはこのビジネスを食料品店と同じように考えてやっています。二つの方法からレバレッジの効果を得ることができます。それは、大きいポジションを取るか、回転を早くさせることです。食料品店と同じように、休みなく商品を仕入れ、売っていきます。もし売場に悪くなりそうな肉があれば、安くして売り払ってしまいます。


 いかなる投資家にとっても、トレード哲学を書き出すことは計り知れないほど価値ある行為であると、私は信じています。トレードのアイデアを文字にすることが、自分の思考過程を明確にするのに役立ちます。自分の投資哲学を文字にするため、昔はよく週末は図書館に通っていました。自分がどんなカタリストを探しているのか、どうしてそれらが株価に影響を与えると考えるのか、異なる価格の反応をそれぞれどう解釈するのかを文字にしようとしていました。トレード哲学を書き出したノートは五〇〇ページを超えています。率直に言って、それは実に骨の折れる単調な作業でした。でも、その過程は売買手法の向上にとって非常に貴重なものです。

 

 
 
 
鉄 太 郎 の ナ ル ホ ド と 納 得
 


                 こつこつと努力することを決意しよう !