NO.102
書  名 デイトレード大学
著者/訳者 岡本 治郎
発行所 パンローリング
価  格 2,800円
 
 
 

「デ イ ト レ ー ド 大 学」 か ら の 抜 粋


 


(大数の法則)

  バクチには、「大数の法則」という、避けては通れない法則がある。バクチは控除率があるため、やればやるほど負けていき、最後にはスッカラカンになってしまう。投資における控除率とは、利益にかかってくる税金、そして手数料である。


(金融情報)

  トレーディング環境という点でもう1つ話しておかなくてはならないことがある。「金融情報テレビ」や「株式新聞」、「人気のあるマネー雑誌」などの価格以外の情報は、トレーディングにはマイナスにしか作用しないので不要である、ということだ。


(証拠金)

  日経225先物は、自由な回転売買が可能で、1枚あたりの証拠金は51万円である(これは、2002年2月の日経平均1万円という時点で、スパンという方式の額をそのまま客に適用している証券会社の場合。証券会社によって異なる)。レバレッジ率はおよそ20倍。つまり、51万円の証拠金で、その20倍のものを売買することになる。


(失敗した場合)

  成功者が1割にも満たないトレーディングの世界で、ズブの素人がほんの少し勉強しただけで生き残っていけるかどうか?――現在、安定的な収入を得ているサラリーマンは、この辺を重視してよく考えたほうがよい。失敗した場合は、それまでの蓄えを失い、デイトレードでは1日で稼いでいたおカネを、1ヵ月とか1年かけて稼ぐ職探しをしなければならない。そんなギャップに精神的に耐えられる人間はそんなに多くはないだろう。デイトレードで失敗した場合のダメージは相当なものになる。


(現物株には手を出すな)

  個人投資家のデイトレードといえば個別株が対象のようだが、機関投資家やプロにとってデイトレードといえば日経225先物のことである。現物市場をコントロールする先物マーケットこそが本当のマーケットで、現物市場は先物のカス程度に認識しているディーラーが多いのではないだろうか。


(マーケットを熱心に勉強できないなら、やってはいけない)

  現物株にしろ先物にしろ、マーケットに対して、医者が本業の勉強をするぐらい熱心に勉強できないようなら、近づかないほうが身のためだと思う。おカネを払ってやるレジャーとして考えるのなら別だが。


(デイトレードのためのマーケット)

  個人投資家が225先物のリアルタイム3文板をみることできるようになったのはつい先年のこと。以前は証券会社所属のディーラーしかみることのできない世界だったが、今ではだれでもみることができる。実にすばらしい時代になった。225先物は、株式投資の王道といわれたりもするが、なんとなく頷ける気がする。


(控除率)

  トレーディングで生活しようと思うなら、シミュレーションによって控除率を超えるような勝率を持つトレーディング・ルールを開発すること、そしてできるだけ手数料を抑えること、税金を抑えることが大きなテーマになってくる。


(成功するシステムをつくり上げる)

  どんなに成功したトレーダーでも、最初は、絶望的ともいえるような惨めな状況や敗北を経験し、それを乗り越えて成功者となっている。マーケットに打ちのめされては数ヵ月間の休憩期間を設け、リスクの低いアイデアを考案しては、過去の相場で検証するという作業の繰り返しだ。成功するシステムをつくり上げるまで、自分のルールを練り上げるのは大変な仕事なのである。


(統計的に優位性を証明されたトレーディング・プラン)
 
  統計的に優位性を証明されたトレーディング・プランによって、客観性と一貫性を持ったトレードができる。自由裁量で適時判断して稼げる天才的なトレーダーでない限り、客観性と一貫性は明らかに有利な特徴だ。この場合大切なのは、たった数回の負けで自信をなくすのではなく、今後3ヵ月1つのトレーディング・プランでトレードを行うというような長期的視点だ。


(エントリー前に損切りポイントを決めておけ)

  トレーディング・プランで大切なのは、利益を最大にすることよりも、むしろリスクを最小にすることである。そこで重要となるのが損切りのルールだ。ポジションを取る前に損切りのポイントを決めて、損切りポイントに達したら、有無を言わさず自動的に損切りをする必要がある。


(トレーディングでは、心理が大変重要なファクターである)

  しっかりとしたトレーディング・プランの構築によって、運まかせのギャンブラーと一線を画した知的なトレーダーとなれるわけだが、有効であると証明されたルールを身につけているだけでは、まだ不十分だ。トレーディングでは、心理が大変重要なファクターである。いかなるトレーディング・プランでも、最も弱い部分はトレーダーその人自身なのだ。


(相場は考えて当たるようにはできていない)

  希望にしても恐怖にしても、どちらにしろ人間の感情は、衝動的な決定と自分のポジションへの否定的態度の結果、トレーディングを狂わす。自分の決めたルールには、何が起ころうと、最後までただ従うのだ。いったんポジションを持てば、もう運命は変えられない。希望も恐れも、何の足しにもならないどころか、トレーディングをするうえでは、害あって利なしなのだ。材料出尽くしか、折り込みかは決してわからないし、相場は考えて当たるようにはできていない。
  祈ろうが瞑想しようが相場は無情に動くものだ。マーケットの小さな動きで心を揺さぶられて過剰売買をしないように、トレーディング・プランを紙に書くときは、消しゴムで消せないようにボールペンで書こう。


(損切り後は特に慎重に)

  とかく損が出始めると、それが続くものである。人は損切りしたあとは、損を取り戻そうという衝動に駆られ、すぐにマーケットに参入したくなるからだ。たとえルールを決めていたとしても、それを拡大解釈して、急いで再エントリーしてしまう。そして、それが傷を拡大させることになる。
  損切りしたあとは特に慎重になって、最低でも30分は何もしないといい。部屋の掃除をするとか、ほかのことをして気分を落ち着かせよう。その日はつらいかもしれないが、何もしないのが本当は一番よいのだ。


(出動回数)

  プロはマーケットが自分に味方してくれるとき、すなわち勝つ可能性があるときまでその場を耐え忍び、一歩引いてただ待つことで満足する。マイナスになるよりもゼロのほうが得であるということを知っているので、不必要な手数料を払うことなく、来るべきときが来るまで待つ。出動回数がしぼられているのが、カネ儲けに徹したプロの姿なのである。


(トレーディングはマネーマネジメントのゲーム)

  重要なのは予測の精度の高さよりも、予測が的中しているときにどれだけ資金を増やせるか、予想が裏目に出たときにどれだけ資金の減少を抑えることができるかである。 トレーディングは、マネーマネジメントのゲームといえる。自分の優位なときには大きく建て、反対に不利なときには損切り、そして休むのだ。


(ギャップ)

  近くにチャートがあったら確認してほしい。前日終値と当日寄り付きが離れて始まることがよくある。これをギャップという。
  たいていは最初の数分だけ離れていて、しばらくしてから前日終値付近まで戻ってくる。前日終値から、離れて始まるギャップのほとんどは、すぐに埋まってしまう「コモン・ギャップ」だ。プロのトレーダーはそれと逆の方向にトレードする。ただ、たまに「ブレイクアウェイ・ギャップ」といって、そのままその方向にいってしまうギャップがある。


(マーケット・プロファイル分析)

  ピーター・ステイドルマイヤー氏が開発した、ボリュームからマーケットを分析するマーケット・プロファイル分析。これも、デイトレーダーに人気のある分析手法の1つだ。
  マーケットは出来高が最も多くなるところを求めて、レンジを形成しながら動いている。1つの価格帯で売り手と買い手の均衡が崩れると、マーケットは新たなレンジに動く。そしてそこでまた、もみ合いを続ける。


(釣れてもよし、釣れんでもよし)

  トレーディングは、定石やテクニックから導き出された、優位性のある手法からなるトレーディング・プランを実行する作業だ。しかし、いざその場面になっても、自分の欲望や感情に邪魔され、トレーディング・プラン通りに実行できるトレーダーは少ない。その理由は、先ほど述べたように、腹を立てたり、心配したり、強情張ったりするような間違った心でトレーディングをするからだ。
  プロの釣り師は、いったん糸を垂れたら、あとは「釣れてもよし、釣れんでもよし」という心境だという。もちろん、その前には入念な準備を重ねているのだが、糸を垂れたあとは結果にとらわれない心境になっているのである。これこそプロの理想の心理状態だ。


(自分を空っぽにしてポジションを取ることが大切だ)

  ポジションを取るときは、これは必ずうまくいくとか、反対にこれは失敗するだろうとか思いながらではいけない。ただ、自分を空っぽにしてポジションを取ることが大切だ。
  トレーディングをしていると、どうしても自分のポジションに対してひいき目にみるようになるので、よほど気をつけなければならない。別に意識して、自分のポジションと逆にいくと思えといっているわけではないが、そこまでいわないと気持ちが知らず知らずのうちに自分のポジションにつき過ぎているものだ。知らない間に自分のポジションのことが先になっている。注意に注意を重ねてマーケットを客観的に凝視するようにすると、自分のポジションのことなど忘れてしまうぐらいにバランスがとれるようになる。
  また、トレーディングをしていると、マーケットの動きが間違いで、自分のポジションのほうが正しいと思う瞬間がある。実際のマーケットの動きは後回しにして、自分のポジションに都合がいいようにと願うだけになったとき、それはこのゲームのワナに陥った状態なのだ。




※ ( )内タイトルは勝手につけました。

 

 
 
 
鉄 太 郎 の ナ ル ホ ド と 納 得
 


デイトレーディングのポイント

■控除率(手数料、税金)を出来るだけ抑える。

■価格情報以外の情報はいらない。

■リスクの低いアイデアを考え、過去のデータで検証する。

■統計的に優位性を証明されたトレーディング・プランを一貫して使う。

■本業として、真剣に取り組むことが必要である。

■利益を最大にすることよりも、むしろリスクを最小にすること。

■最も弱い部分はトレーダーその人自身である。

■トレーディングは、マネーマネジメントのゲームである。

■多くのギャップ(コモンギャップ)は埋まることを利用して儲けることができる。

■埋まらないギャップ(ブレイクアウェイ・ギャップ)は、倍返しで逆に掛ける。