(第一章 勝ち組投資家の心構え)



  2.負けるべくして、負けている人が如何に多いか

     一般投資家の多くは、周到な準備もなく株式売買に手を出していますが、株式
   売買の世界は落とし穴が一杯です。以下に典型的な落とし穴を紹介します。



    A,証券会社、各種雑誌、有力情報等によって売買する

    証券会社、各種雑誌、有力情報などによって売買する問題の1つは、主体性なく売買していることです。そこには自分の信念もポリシーも無いので、相場が逆の方向に動いた時正しい判断ができません。又、人の情報に頼って売買していると自分の相場観が育ちません。何時まで経っても一人前の投資家にはなれません。

  もう1つの問題は、証券会社などの情報は過去の情報で株価に既におり込まれています。その情報によって一般投資家が買い出動した時点で、株価は逆に動くことがあります。場合によっては悪意の情報も混じっていることもあります。即ち、大量の玉を売りさばきたいときに一般投資家を買いに走らせる情報が流される場合もあるのです。その場合は急激な下降相場に直面することになります。

 

 
   B,リスクを認識せずレバレッジを利かした信用取引を行なう
    レバレッジ(てこの原理)を利かして信用取引を行なうと300万円の資金で最大1,000万円の売買を行なうことができます。およそ3倍の利益を手にできます。しかし、損失も3倍なのです。少ない資金で株式売買を行なっている投資家にとっては、あっという間に資金が無くなってゆきます。

  しかし、本当に危険なのは、レバレッジを効かした信用取引ではありません。リスクを正しく認識してしていなかった投資家が悪いのです。今後は、上げ一方の相場はありえないでしょうから信用取引を利用した空売りは必須となります。

 


   C.負け相場を糊塗するナンピン買いを行なう
    長期投資を目的に成長性があると信じた銘柄を計画的に買い下がってゆき、はじめは小さく、だんだんと大きくし、取得価格を底値に近づけることを目的に行なうならば立派な戦略であると思います。

  しかし、一般投資家の行なうナンピン買いは、上がると思って買った株が思いがけなく下がってゆく時、平均単価を少しでも下げて負けを少なくしたいという気持ちが働いて行なうことが多いものです。長期的(3〜5年)に上がるという強い信念もないので、ナンピン買いした後、さらに下がってゆくと怖くなって投げ売りをしてしまうことになるのです。

 

   D,ずるずると下がる持ち株を売ることが出来ずに塩漬けする。
 

  思い付きで買った株、有力情報をもとに買った株、研究に研究を重ねて買った株等々様々な理由で買った株は、上がりもすれば下がりもします。

  下がっていった場合、損をしたと思いたくないので、「どの株も倒産しない限り何時かきっと上がる」と自分に言い聞かせて、株を寝かしてしまいます。これが株の塩漬けです。

 


   E,株の上げ下げの予測に重きを置きすぎる
 

  一般投資家の多くは、上昇銘柄の発掘に精力のほとんどを注ぎ込んでいますが、思った通りに動いてくれないのが相場です。投資家の予想が正しかったとしても、当面はふるい落としのための下落ということもあります。特定の銘柄が、明日から上がり始めるかなど、インサイダー情報を握っている人くらいしか分からないのです。

  株価の上がるか下がるかを予測するならば、確率で行なうべきです。50%を規準として上がる確率、又は下がる確率を予測します。これを行なうことによって、一方的に上がる又は下がるといった考えは排除されます。

 

   F,全体相場の下降局面においても株の買いで勝負する
 

  日経平均が、年率25%下落している中で、株を買って儲けようとしている人は、競馬・競輪・競艇で儲けようとしている人達と同じです。25%のテラ銭を払って年間の合計で勝つのは非常に難しいことなのです。カラ売りはしたくないというのであれば、株式売買は休むべきです。

 

   G,ブラックマンデーのような全体の大幅な暴落によって大きく負ける
 

  1987年10月19日のブラックマンデーを例に持出すまでも無く、全体株価の大幅な暴落は、周期的に発生しています。株価は、需要と供給のバランスによって動きますから、ある価格帯で買手がいなくなれば、買手のいる価格帯まで下がるのです。バブル又はミニバブルの時は、実態経済と関係無く、株価が上がるから買うという状態が発生します。その状態で、買いと売りのバランスが微妙に保たれている時、何らかのきっかけで株価が大きく下がったのをきっかけに全体株価が暴落することがあるのです。

  その時は、ストップ安が連続し、売れる状態となった時には、売る気も起らない株価水準まで下がっているのです。この周期的に発生する全体株価の暴落から株資産を守る方法は、買いと売りのボジションをほぼ同じにしておくか、ポジションを持たないデイトレーディングに徹することです。特に実態経済とかけ離れて株価が上がっている時は要注意です。

 

   H,小さな利食いを何回も行い、負けるときは一回で大きく負ける
    一般投資家の多くは、相場の最期の局面(天井間近)で参戦することが多いので、自分の買った株が多少上がった後、急落した経験をたくさん持っています。

  それ故に「利食い千人力」とばかりに少しでも上がれば利食うという習慣がついてしまいます。又、買った株が、自分の思惑を外れて下落した時、実損を出したくないという思いから持ち続けてしまうことが多いのです。その結果、大きな損失を抱えることになるのです。

  継続的に勝つ為には反対のことをする必要があります。即ち、小さな負けを重ねて一回の大勝をとることが重要なのです。

 


   I,誰もが儲かっているという理由だけで買い出動する
    景気が良くなり、株の上げ相場が続くと株で儲かったという話がいろいろなところから耳に入ります。一般週刊誌などでも株で御殿を建てたなどの話題が取り上げられるようになり、友達との会話の中で株が話題になったりします。このときには、株で儲かったという話はごろごろ転がっています。銘柄は何でも良いから、買えば儲かるという気になるのもこのときです。

  一般投資家は、皆が買っているという安心感から買いに走りますが、この先には恐怖の崖があることを知りません。暫らくは、皆と一緒に気持ちよく走れますが、気がついたら全員で崖から滑り降りていたということになります。自分だけ止まろうと思っても踏み止まることはできません。

  プロの相場師は、景気が悪く、株が低迷しているときに株を仕込み、相場が熱狂するのを待っているのです。一般投資家が、株の世界に大挙して入ってきたとき、今まで仕込んだ株を喜んで一般投資家に譲り、崖の一歩手前でサヨナラをします。