(第二章 勝ち組投資家の戦略)



  4.感情をコントロール出来る売買システムを確立する

 
  およそ15センチメートルの平均台の上を通常に歩くのは誰でも出来ると思います。しかし、建築中のビルの最上階で、幅が平均台の倍もある鉄骨の上を渡ることは、その作業に慣れている人意外、足がすくみ一歩も足がでないのではないでしょうか。たとえ、足が出たとしても途中で立ちすくみ、鉄骨に抱きついてしまうのが目に見えるようです。この例は、恐怖の感情に自分のコントロールを奪われた例です。もう一つ例をあげてみましょう。あなたは、ある会社の営業マンで明日までに製品を工場に届けなければ、契約違反となり会社に多大な損害を与えることになりますが、手違い続きで何もかもうまくいかない状況であるとしましょう。いらいらして、あせっているあなたは、今日が娘の誕生日で家族で祝うということも忘れて、電話さえも掛けないで走りまわっているかもしれません。大きな不安が、あなたを支配してしまったのです。

  株式売買で失敗する主要な理由の1つに感情に流されて売買するということがあります。絶対儲かるという情報に飛びついて、無理をして資金を集めて投資したけど、相場は逆に動き、結果的に大損をしてしまう。これは、強欲な感情に支配された例です。ある会社の成長性を信じて、長期投資で株を買ったにも関わらず、日経平均の暴落に引っ張られてどんどん下がっているのに耐えきれず投売りをしてしまう。その銘柄はその日を底として上げ続け悔しい思いをしている。これは、大事な金を失うという恐怖の感情に支配された例です。株というものは、感情のおもむくままに売買を行なうと失敗するように出来ているのです。その根拠は、失敗する人の対極にあるいつも勝っている投資家は、人間心理の機微をついて勝負を仕掛けていると考えられるのです。どの本に書いてあったかは忘れてしまいましたが、このことに関する興味深い話がありましたので紹介します。「株式売買を始めた当初は、自分が下した判断の逆を行なえば大きく負けない。それを続ける内に勝てる方法が分かってくるようになる」なかなか含蓄のある言葉ではありませんか。

  恐怖、不安、強欲、慢心といった感情をコントロールすることは出来るのでしょうか。訓練をしてある程度まで押さえることが出来たとしても、より厳しい状況が発生した時は感情があなたを支配します。感情は、生存本能に根ざした本能といって良いのです。狼には狼の本能があり、羊には羊の本能があります。これを矯正しようとすることは、神をも恐れぬ仕業といっていいでしょう。

  感情をコントロール出来ないとあきらめれば、感情が暴れ出さない状況を作るしかありません。鉄骨の上でなく、石橋を渡るのであれば、感情はあなたを悩ます存在ではなくなるでしょう。相場では次のことを実現することによって可能です。

  相場が急激に動こうが、思った方向の逆に動こうが、大きな損失の発生
    しないリスク管理の仕組み

  余裕のある資金管理

  損失は小さく、利益は大きくなる手仕舞いの仕組み

  感情に左右されない売買システムの策定

  自己規律ルールの策定

戦術・戦法編では、上記課題を解決する方策を提案しています。